熱く長かった一日。
皆様は自分の身にどれだけのことが降りかかったとき、
それが偶然じゃあ無いと断じることができますか?
これは6年前に起こったある一日の出来事です。
6年前、私は大学受験に失敗したため浪人生活を送っていました。
浪人生活とはご存じの方も多いと思いますが退屈なものです。
当然周りの友人達は大学へ見事進学したので地元にはほとんど誰もいません。
さて、夏のとある日。
猛烈に退屈だったのでたまたま運悪く帰省していたS一君を召喚しようとしたところ、
こちらから出向いて市街地へ遊びに行くことになったので
当然まだ運転免許を持っていない私は自転車で彼の家へ向かいました。
彼の家でいつもながら緻密な作戦を練った後、自転車で出撃。
市街地へ向かう途中、今は無き長野スケートセンター(もうないから実名報道)の手前の道に
「犬」が横たわっていました。
筵の上に寝かせてあったので不自然に思い確かめました。
まあ確かめるまでもなく「死んでいます」
気の毒に思いましたが、まあ当然静観する事にします。基本。
暫く自転車を走らせながら会話。
私「それにしても可哀想だなぁ。」
S一君「まあでも仕方ねえよ。」
私「轢かれたにしては死体奇麗だったし、大体安置したヤツ誰だ?あそこまでやるならきちんと埋めろよな。」
S一君「それもそうだな。」
私「手ぇ付けられてないみたいだったし、もし俺らぁが帰るときまでそのままだったら埋めてやろうか。」
S一君「まあいいんじゃない。どうせ誰か埋めるだろ。」
そして市街地で4時間位遊んで退却。
私「あるかな?(不謹慎)」
S一君「無きゃいいけどな。(笑)」
シャー(自転車漕ぐ2人)
・・・・・・・あったッ。(泣
私「仕方ない当初の予定通り埋めよう・・・。」
S一君「まさか本当に埋めるとは・・・。」
私「で、何処に埋めるよ?」
S一君「スケートセンターの裏で良いだろ。」
私「まあでもその辺しかないな。じゃあそうしよう。」
こうして無縁仏の「犬」は我々によって埋葬されることが決まった。
さて埋葬方法だが、当然土葬。
穴を確保してから犬を埋めると言うことになった。
候補地まで歩く2人、やがて候補地に立って
私「でさ、穴どうやってほる?「犬」結構でかかったから(体長1m位)それなりに深く埋めてやらないといかんな。」
S一君「でもまあ俺ら道具持ってないから木片とかで原始的に掘るしかないじゃん。」
私「木片すら何処に(周囲を見渡す・・・)」
暫く木片探しになるのか・・・と絶句しかけていたところ
十字路の近くの砂場らしきところに
スコップが刺さっているッ。
しばし呆然とする2人
私「あーこりゃ埋めろって神様が言っておられるな。(笑)」
S一君「・・・まじかよ。」
でもってせっせと穴を掘る2人
当然スコップは一本なので変わりばんこでまあ大体穴掘りが終盤にさしかかった頃
スケートセンターの裏口用、見た感じ重い重い鉄扉が轟音を立てて開く。
オッサン「なにやってんだ?」
・・・どうやらばれた。(泣
そりゃそうだ、あんだけ無駄口たたきながら掘ってれば
中にいる人は嫌でも外の異常に気付く。
更にその場所は地面が固く、スコップを持ってしても
掘るのにかなり時間がかかった。無駄口も比例して増える。
(木片だったらどうなっていたのやら)
まあともかく我々の秘密裏に行うべき埋葬計画が見つかってしまった。
必死に釈明を考える2人
しかしながら一言半句の言い訳も出てこない。当然だ。
珍しく「犬」が可哀想なだけのエネルギーで動いたわけだから常識的にそれを正当化することは困難である。
無償の奉仕という行為の大きな落とし穴だ。今後気を付けたい。
私「気の毒な「犬」を埋めようと穴を掘っていました。」
S一君「どうも済みませんがここに埋めてはマズイでしょうか?」
オッサン「ダメに決まってるでしょ。私有地だよ、ここは。」
2人「はあ・・・・・。」
落胆している2人をよそに近寄ってくるオッサン
あろう事かS一君の愛車「コルブラ」に貼ってある
高校時代の自転車ナンバーを控え始める。(殺
まあでも既に我々は卒業している。高校に問い合わせても要領を得ることはあるまいが。
作業(控え)が終わってその間に我々は苦労して掘った穴を埋める。
オッサン「だめだよ、埋めるんなら河川敷とか別の場所にしなさい。」
2人「はあ・・・・。」(河川敷なら良いのかよ)
オッサン「でも「犬」は可哀想だよな。その行為自体は立派だよ。」
2人「はあ・・・・。」(立派な行為を阻害すんじゃねぇーよ)
オッサン「だから人に迷惑をかけるのは止しなさい。じゃあね。」
バタン、ガチャ(オッサン捌ける)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(とても長い間)
私「非常に腹立たしくないか?(逆ギレ)」
S一君「全くだ。是非ここに埋めよう。(逆ギレ)」
かくして、スケートセンターの人気が無くなるまで付近の駐車場で待機。
2時間経過。(←馬鹿2人組)
チリンチリン
先程のオッサンが自転車で近づいてくる。
作戦通りというか疲れというか、とにかく目論見通りうなだれている2人
オッサン「よう。さっきの「犬」どうした。」
私「ああ、河川敷に埋めてきました。」
S一君「結構デカイ犬だったから埋めるの苦労しましたよ。」
私「今2人で休んでいるところです。」
オッサン「そうか、まあ元気だせよな。あと人に迷惑をかけるなよ。じゃな。」
会釈で見送る2人
立つべき時は今だっ。(笑
さて、まずは「犬」の所へ赴く。
要するにもし「犬」がオッサンに見つかっていたら先程の会話は成り立たない。
その時点で作戦の半分は成功していたわけだ。
次なる問題はどうやって「犬」を穴まで持っていくかだ。
私「やはり戸板に乗せるべきだろう(←間違った常識)」
S一君「でも戸板みたいなものはそうそう無いだろう。」
そこで先程と同じように見渡すとちょうど付近の壁に
何故かベニヤの板(当時はコンパネという呼び名を知らなかった。)を発見。
もうこれは本当に大いなる何かが我々に「犬」を埋めろと言っているに違いないと2人で確信。(笑
板に「犬」を乗せて運び、穴へ放り込む。
誰が供えたか知らないが犬用の餌が側に置いてあったので
それも一緒に埋める。(わざわざ犬用の餌持ってくるくらいなら埋めろよゴルア。for誰か)
土をかぶせている最中
S一君「なあ」
私「何?」
S一君「やはりオッサンに無性に腹が立つ。」
私「まあでも、無事(爆)埋めることができたから良しとしよう。」
S一君「「犬」の脚だけ埋め残さない?」
ゲェェー(テリーマン風)
さすがに止める。
いくら逆ギレていても勢いでそこまでできない。(苦笑
こうして無事に「犬」を埋めた我々は帰途についた。
長い一日だった。
未だにあのスコップと板は不思議でしょうがない。
そんな偶然が重なった一日でした。
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